一言に”きもの”と言っても、種類は様々。
「親やおばあちゃんから譲り受けた着物があるけど、これはいつ着て良いのかわからない・・・」
という方も多いはず。
素敵なお着物が落ちにあるのに、眠らせておくのはもったいない!
今回は基本的な着物と帯の種類、そしてTPOについてもご紹介していきます^^
ぜひ、お家に眠っているお着物と照らし合わせて読んでみてくださいね。
この記事を最後まで読むと・・・
・着物の種類と適した場面を知ることが出来る
・日本の文化に対する知識が深まる
・「知らなくて恥ずかしい」を克服することが出来る
・お着物選びが楽しくなる
人気のトピック
着物の種類
まずは基本的なお着物の種類を見ていきましょう!
黒留袖
結婚している女性の第一礼装がこの黒留袖。
よく、結婚式で新郎新婦のお母さんが着ていますよね^^
江戸時代には振袖の長いお袖を短く切って身八ツ口を縫いとめて着ていたのが、
明治時代になり、洋装のブラックフォーマルの概念が取り入れられて現在の”黒留袖”になったそう。
下半分にだけ柄のある柄行きは「江戸褄(えどづま)」と呼ばれ、化政文化の華やかな頃、江戸で芸者さんから広まったのだとか。
因みに「色留袖」は、振袖を着るには年齢的にためらわれる未婚女性のために作られたのが始まりだとか。
今では年齢にかかわらず、場面に応じて未婚女性が着ることもあります。
振袖
未婚女性の第一礼装。
なんと昔は男の子も17歳まではお振袖をきていたそう!
袖丈も、時代が安定するにつれて長くなっていき、今の長さになったのは江戸時代の頃。
娘に舞踊を習わせる習慣が始まり、身振りを美しく見せるために今の長さになったのだとか。
関所を通る時、未婚女性は振袖を着ていないと通してくれない程、「振袖=未婚女性」が定着していたそうです。(身分を隠そうとしているのではないかと疑われてしまうため)
その為、関所の近くには必ず貸衣装屋さんがあったのですって!
その商売を始めた人、目の付け所がいいですよね!
訪問着
女性の正装のひとつである訪問着。
結婚式への出席やパーティなどに着ていくことができます。
振袖・留袖共にそうなのですが、着物を広げると一枚の絵になっています。
柄を染めるときに、一度着物の形に仮縫いをし、出来上がりの状態にしてから柄を描くことで実現している技。
そして仕立てるときも、柄が縫い目をまたいでちゃんと合うように注意して仕立てていきます。
1度縫ってほどいてまた縫って・・・と、何工程にも及ぶ作業のおかげで、私たちは素晴らしい模様のお着物を身につけられるのですね^^
付け下げ
訪問着の次に格式の高い着物。
訪問着との大きな違いは、飛び柄で、柄がつながっていないところ。
柄は全て上を向いています。
訪問着同様に、結婚式などのパーティにも着ていくことができますが、
より華やかさを求められる場では、正式な訪問着を着用することをお勧めします。
最近では、訪問着に柄いきが似ているものを「付け下げ訪問着」と称して販売されていることもしばしば。
色無地
お茶席、パーティ、弔事、卒業式など
選ぶ色によって様々な場面に着用することができる優れた着物が色無地です。
家紋を入れれば格も上がり、結婚式などにも着用することができます。
小紋
普段のおしゃれ着が小紋と呼ばれる着物。
洋服でいう、”ちょっと特別なワンピース”という感覚です。
着物全体に柄があり、柄の上下の決まりも特にありません。
小紋は、絹糸を先に反物の状態に織って、それから柄を描いていきます。
これを「後染め」の着物と呼びます。
街歩きや美術館、観劇など、幅広く楽しめるお着物です^^
紬
小紋よりもカジュアルとされているのが紬。
江戸時代に贅沢禁止令が出た際、お金持ちな町人たちが、絹でもばれないような着物を作れないかと工夫をこらして作られたのが始まりだそう。
確かに遠目からは木綿なのか絹なのか、柄ではなかなか判別ができませんよね。
小紋と違い、紬は「先染め」と言って、
出来上がり図を考え糸の段階で染め、絣や花などの柄を織で表現していくという、とても高度な技術によって作られています。
物によっては数百万以上するものもあったりしますが、どんなに高価でも、あくまで”趣味の着物”なので、小紋同様、街歩きなどに適した着物とされています。
しかし最近では「紬訪問着」なども作られるようになり、着用できる場面が増えています。
ウール・木綿
紬より更にカジュアルダウンするのがウールや木綿の着物。
昔は野良着として用いられていたことから、正装を求められる場面ではふさわしくないとされています。
が、
自宅で洗えたり保管も簡単なので、趣味として着るのには最適です*
続いては帯の種類を見ていきましょう^^
帯の種類
袋帯
長ーい長方形なのが、袋帯。
昔は裏まで柄があったのですが(丸帯といいます)、
現在は簡略され、表だけに豪華な織柄が施されているものがほとんどです。
袋帯の用途
結婚式やパーティなど、おめでたい席で締めるのがこの袋帯。
お太鼓部分が二重になるのは、
「お祝い事は2回と重なりますように」
という思いが込められています*
ぱっと見えないところに込めた気持ちがなんとも素敵^^
名古屋帯
お太鼓になる所は広く、胴に巻く部分は予め半分に折られた状態の帯を名古屋帯と呼びます。
袋帯と違い、お太鼓は一重になります*
名古屋帯の用途
小紋や紬などのおしゃれ着に合わせることがほとんどです*
一般的に
「織りの着物に染の帯、染めの着物に織りの帯」
と言われていますが、最近ではあまり気にせず着用しても問題ありません!
全体のバランスを見て選ぶことの方が重要視されているようですね^^
半幅帯
全体を通して、袋帯の半分程の幅に仕立てられているのが半幅帯。
最近ではリバーシブル仕立てが多く見られるなど、デザイン性もかなり豊富な楽しい帯です*
半幅帯の用途
一般的に浴衣や木綿・ウールなどのカジュアルな着物に締められます。
しかし、最近ではデザインも豊富な事や着物に対する決まり事がかなり緩やかになってきたことなどにより、
紬や小紋などに合わせてカジュアルな着方として半幅帯を締める事も*
「着物や帯は何となく知ってはいたけど、帯締めや帯揚げにも決まりはあるの?」
という方も多いのでは?
次の章では小物の決まりについてもお話ししていきます*
帯締め・帯揚げの決まり事
帯締め
袋帯・名古屋帯を締めるとき、お太鼓を形作るのに欠かせないのが帯締め。
帯の真ん中を通っている紐状のものが帯締めです。最近では飾りで半幅帯などにも用いられる場面も増えてきました*
婚礼
留袖などの婚礼に用いられるのは白い帯締めと帯揚げ。ほとんどの場合、写真のようにセットでセットで売られています。
正装
訪問着や付け下げなどには、写真のような金糸が使用されているもので、平なものを選ぶのが一般的です。
カジュアル
小紋や紬など、趣味の着物に用いられるのには様々なデザインのものがあります。
写真のように、飾りがついているものや、織柄が複雑なものなど、ついつい集めたくなってしまうようなデザインも^^
帯揚げ
そして帯締め同様、お太鼓を作るのに必要なのが帯揚げ。
帯の上に見えている青い部分が帯揚げです*
どんな生地・色を合わせるかで気姿全体の印象をも変えてしまうと言っても過言ではない帯揚げ。
どんな種類があるかを見ていきましょう!
帯揚げの美しい結び方についてはこちら*
綸子の帯揚げ
光沢感があり上品な華やかさのある綸子の帯揚げは、訪問着や付け下げなど、正装してお出かけする際にぴったりな帯揚げです。
織模様の少ないものであれば、小紋などのカジュアル着にあわせて使用できる
合わせやすいアイテムの一つです。
帯揚げの美しい結び方についてはこちら*
縮緬の帯揚げ
縮緬の帯揚げは、カジュアル着物に用いられます。
色身が深く、スタイリッシュな印象に見せたいときにおススメです^^
色身も豊富でまるで色鉛筆のようにお好きな色を選ぶことが可能なのも嬉しいポイント*
おまけ*小物をプラス
帯どめをすると一段とオシャレにきものを楽しめちゃいます!
写真のように、指輪とお揃いのモチーフにするのもオシャレですよね*
「帯どめなんて持ってないし、お高いんでしょ?」
と思った方へ。
帯留めじゃなくても、紐が通る場所さえあれば代用が出来ちゃうのです!!
例えば
帯どめのかわりに指輪を通してみたり
お気に入りの缶バッジを通しても楽しいですよ^^
今手元にあるお気に入りのアイテムをプラスして
もっと気軽にお着物を楽しんじゃいましょう*
まとめ
さていかがでしたでしょうか。
それぞれのお着物にもちゃんと歴史があって面白いですよね^^
お着物のTPOを知っていれば、
「このお着物、あそこに来て言っても大丈夫かな?」
という迷いも軽減されるはず!
ぜひこの記事を、あなたのお着物選びにお役立ていただけたら嬉しいです^^
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント
[…] 着物の種類について更に詳しく知りたい方はこちらも合わせて読んでみてください^^ […]
[…] 着物の詳しい種類とTPOについてはこちらをご覧ください^^ […]
親族の結婚式で、黒の訪問着(裾柄入り)を選んだのですが、帯飾りはNGでしょうか?約¥500玉サイズのつまみ細工なのですが?
Kさん、こんにちは!お返事がすっかり遅くなってしまって申し訳ありません・・・!500円玉サイズの髪飾りでしたら、つけて頂いて全然かまいませんよ^^素敵な結婚式になりますように☆