意外と知らない?和裁と洋裁の違いとは

きもの
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「和裁・洋裁、耳にした事はあるけど、どう違う?」

意外と知られていないのがこの2つの違い。

”お裁縫をする”という点では同じです。

が、

ボールを使うのは同じだけれど、ルールが全然違うサッカーと野球のように

和裁と洋裁はそれぞれ別物なのです。

今回は和裁と洋裁の違い

そしてあまり語られることの少ない、和裁の魅力についてもまとめていきます*

それぞれの定義

では、和裁と洋裁のそれぞれの説明から見ていきましょう!

和裁

和裁とは、和服を制作することや、その技術のこと

和裁とは、和服裁縫の略語。

大正時代の頃までは、裁縫といえば和裁のことであったが、洋裁と区別するために、和服の裁縫のことを和服裁縫、または和裁と呼ぶようになった。現在「裁縫」という言葉は和裁・洋裁のどちらも含む総称である。裁縫のことを「仕立て」ともいう。

Wikipediaより

洋裁

洋裁とは、洋服を作るための裁縫で、和裁に対する言葉である。

洋裁は、縫うことばかりでなく、型紙を作り、裁断し、仮縫いして、本縫いし、仕上げるまでの過程を含んだ意味に解釈されている。

職業として洋裁をする人は、紳士用婦人用のスーツやコートなどの仕立て屋と、婦人用のドレスやブラウスなどの仕立て屋に大別される。前者はテーラー(英: tailor)、後者はドレスメーカー(英: dressmaker)やクーチュリエ(仏: couturier)と呼ばれる。

Wikipediaより

そう、簡単に言えば洋服を作るか和服を作るかの違いです。

私は和裁が専門職なのですが、たまに周りの方から

「じゃあ自分で着るお洋服も作れちゃうからいいね!」

のようなお声をかけて頂く事があるのです。

が、

洋服を作る事と和服を作る事の技術は全然違うのです!

では次は、和裁と洋裁を比較してどのように違うのかをご紹介していきます*

和裁と洋裁の大きな違い

・和裁→直線裁ち 洋裁→曲線裁ち

・和裁→基本手縫い 洋裁→基本ミシン縫い

・和裁→型紙なし 洋裁→型紙あり

・和裁→着物重視 洋裁→人重視

・和裁→直線裁ち 洋裁→曲線裁ち

洋裁は、その人の体系に合わせて布を裁断したり、ダーツをとって

より体のラインに合うように仕立てていきます。

一方、和裁はというと、全て直線断ちなので

縫い目をほどくと大小長方形の布にばらけるのです。

・和裁→基本手縫い 洋裁→基本ミシン縫い

最近は着物を縫うのにもミシンが用いられるようになりましたが、

基本的に和裁は全て手縫いです。

絹を扱う事がほとんどですから、ミシンの強い力でたたくのは生地を傷めてしまう原因になってしまう事も。。

・和裁→型紙なし 洋裁→型紙あり

洋服を仕立てる際は、ほぼ必ず必要な型紙。

しかし、和裁には型紙は必要ありません

その代わり、裁ち図と寸法票を用意し、それに沿って裁断をしていきます。

・和裁→着物重視 洋裁→人重視

洋服は、完成すれば誰でも簡単にきれいに着用が可能です。

一方で和服は全て直線で作られていますから、着用する時に自分の体に合わせていく必要があります。その作業こそが”着付け”なのです。

ここまでくると、和裁と洋裁の違いがかなりはっきりわかれてきましたよね*

ではせっかくなので、さらに深く掘り進んでいきましょう。

実は使う”針”にもそれぞれ違いがあるのです。

和針と洋針の違いとは

あなたの針山には、どんな針が刺さっていますか?

「手芸屋さんで一番目立つところに売っていたものを使っている」

「学生の時に使っていたお裁縫道具をそのまま使っている」

という方も多いかもしれません。

簡単に説明すると、

和針は着物を縫うための、洋針(メリケン針)は洋服を縫うための針です。

手芸コーナーで一般的に売られている針は”洋針(メリケン針)”がほとんどなので、

皆さんのピンクッションには、この洋針が刺さっている確率が高いかもしれません*

因みに和針・洋針はそれぞれの作業に適した形状となっております。

着物を縫うための和針は、洋針に比べて針先が鋭く、針全体も細い形状となっています。

これは、薄い絹の布に適しており、また運針もしやすいように考えられています。

一方、洋服を縫うための洋針は、厚手の洋服地にも耐えられるよう、和針よりも太めの形状に作られています。

和針と洋針の太さ・長さの見かた

洋針

クローバー社

洋針は、”長針”と”短針”の2つに分かれており、それぞれに1号~12号の種類から選ぶことができます。

号数が大きくなるほど、長さ・太さ共に長く太くなります。

和針

トマト

和針は漢数字で表記されており、上の数字が針の太さを

下の数字が針の長さを表しています。

一般的に針の太さが3の針は木綿用、4の針は絹物に使うとされています。

「和裁は基本手縫いって書いてあるけど、

絹物でも最近はミシン仕立てのものもあるよね・・・それって大丈夫なのかな?」

と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?

確かに最近では”ハイテク仕立て”といって表から見えない、直線の部分はミシンで縫ってしまうお仕立て方法が増えていますよね。

”お値段的には手縫いよりもお手頃だけど、実際、絹物にミシンってどうなんだろう?”

と思ったことはありませんか?

次の章では、ミシン仕立てと手縫い仕立て、それぞれのメリット・デメリットを紹介します^^

ちなみに・・・

”針供養”ってご存知ですか?

Wikipedia

折れてしまったり、曲がってしまった針を供養する”針供養”

毎年、2月8日(京都などでは12月8日)に行われます。

これは、今まで硬かったり、分厚い布に耐えて頑張ってくれた針に対して

「今までありがとう。お疲れ様でした」

と労い、供養する儀式です。

使えなくなった針を神社に納める、

またはお豆腐にさしてあげて供養したりします。

最後は柔らかいものに刺してあげるという何とも日本人らしい心遣い・・・

個人的にはとても好きな1年の行事の一つです*

ミシン仕立てと手縫い仕立ての比較

ミシン仕立てメリット

・お仕立て代がお手頃価格

ミシン仕立てて一番の魅力はお値段の安さ!

表からはミシンを使っているかはわからないので、縫い方に拘らない方にはお勧めです!

・糸が強いため、ほどけにくい

手縫い糸に比べて糸が強い為、糸がほどけたり、切れたりしづらいです。

ミシン仕立てデメリット

・つれやすい

仕立てによっては、糸がつれていて表にひびいて変なシワがよってしまっていることも。。

ミシン仕立てでお仕立て上がりのお着物を購入の際は、必ず一度試着して

着姿を確認することをお勧めします*

・引っ掛けた時、布が裂けやすい

お袖などをどこかに引っ掛けてしまった時、生地より糸の強さが勝ってしまい

布が裂けてしまう事があります。

手縫いメリット

・布のツレがない

一か所一か所、丁寧に手縫いをしているため、布がつれて変なシワがよることもほとんどありません*

・仕立て上がりがしなやか

布の状態を見ながら丁寧に縫っていくので、お仕立て上がりも着姿も格段と美しく見せてくれるのが手縫いの一番のメリットです^^

手縫いデメリット

・お仕立て代が高い

特に国内仕立てとなると、ミシン仕立ての2倍はかかってしまうことも。。

・糸が風邪をひく

長年着用していると、糸が弱まって(これを”糸が風邪をひく”と言います)ほどけてしまうことも。。

和裁で使う縫い方については※こちらをどうぞ!

和裁以外でも、ちょっとしたほころびなどに使える縫い方も動画で紹介しています^ ^

それぞれに魅力的なメリット、そして気になるデメリットがありますよね。

その時のあなたの用途に合わせてミシン仕立てにするか手縫い仕立てにするかを決めるのもいいかもしれません^^

まとめ

いかがでしたでしょうか?

同じ”お裁縫”でも意外と違いの多い洋裁と和裁。

特に和裁についてはなかなか知る機会も少ないので、初めて耳にすることも多かったかもしれません!

これを機に、少しでも和裁に興味をもってもらえたら嬉しいです^^

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コメント

  1. […] 和裁と洋裁の違い でもお話ししたように、 […]

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